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2020年7月9日木曜日

苗の疑問


自家苗を生産するようになってからというもの、店舗に入荷した苗を購入することが極端に減りました。
 固定種キュウリの自家苗栽培(品種:加賀節成)

どうしても種から育てるには時間がかかりすぎる品目や、自家採取を目的として購入する場合がほとんどですね。収穫や自家苗の継承を主眼に置いているので、わざわざ肥料や農薬が散布された苗を買ってまで収穫しようという気になれません。

では、自家採取なら問題ないのかといえば、少々心苦しいと感じるものがあります。種子の更新が続けられれば、いずれ肥料・農薬等を投与しなくても丈夫な苗に育つという、経験からくる確信を持っているからですね。

これから先に述べることは、上記に絡んだお話をします。「うどん粉病」というウリ科が良く罹る病気に対して耐性がある品種が出回っていました。某企業で品種改良された作物苗ですね。

耐病性があるとはいえ、世話次第でそれ以外の病気にかかる可能性は十分あるので、「耐病性が在る=完全耐病性」という極論ではないと思います。

病気の原因も環境や育て方にも影響するから、放任もよくないけれど世話をかけすぎるのもどうかと思うのです。病気一つにしても原因が菌によるものなのか、それとも虫たちの食害によるものなのか、凡そ原因要素が二分されるかとおもいます。

また、それに加えて苗の状態も遠因の一つであるような気がします。丈夫な苗なら少々の食害や菌の繁殖に対して、抵抗性を持っているものです。これは人間にも当てはまることです。

たとえば、私自身は片肺が欠損しています。菌に対しては抵抗性が低いけれど、健康状態が正常なら鼻かぜ程度で済みますが、状態が悪くなると重篤な状態になります。それは健常人に比べると罹病するリスクが非常に高いです。

しかし、日々の管理に過不足なければ普通に生活できています。野菜の苗も同じ、過不足なければ正常に育つはずです。罹病あるいは食害が起きるということは、物言えぬ植物にとって、実情を見せて世話をする側にサインを送っているわけです。そこを見逃さず的確に手当てできていれば回復する確率が多くなると思っています。

人があれこれ手(耐病品種交配・薬剤投与等)を加えることで、本来持ち合わせている耐病性が機能しないのであれば本末転倒ですよね。

植物にとって何が大事か・・・それは栽培に適した環境は言うまでもないことです。それでもあえて栽培・手当(管理)の急所はどこか?

それは「根」ですね。

続く・・・次回は「根の働き」についてです。



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